「半音」という言葉は
#(シャープ)・♭(フラット)が出てくるときに
出会うことが多いかと思います。
「#は半音あがる、♭は半音さがる」
ですからね。
ここでつまづくケースが、時々あります。
白鍵だけを一生懸命見てきた子どもの場合、
「白」の隣は「白」でしかありません。
しかし半音は、いわば「最も近い隣の鍵盤」との関係です。
「白」の隣が「黒」になることがあります。
と同時に、「白」の隣が「白」の場所もあります。
もう、これだけで「わけわからへん」のです。
そういうお子さんの場合です。
「ピアノの中、見てみる??」
「見る!見る!」
ふたをはずしますよ。
じゃーん!
こんなん出ましたけど(ネタ古すぎ)
普段見られないものが見られるというのは、実にワクワクします。
鍵盤は、いつも見ているところだけが白・黒で、あとは「木」です。
この「木」に一つずつ、向かって左(低音域)から番号が書いてあるんです。
↓
見えますか??48、49、50、51、52。
こんなの見つけたときの子どもの、なんと楽しそうな姿。
たまりません(*'▽')♪
この番号を1から数えていきます。
5,6才くらいだと、数字に興味があるお子さんが多いので、夢中になります。
途中でわからなくなったお子さんは、一緒に数えます。
「最後は何番だったかな?」「88!」
「ピアノはどれでも88なんだよ」「へぇ」
この数字に合わせて、1から順番に鳴らしてみよう!
左端の音を弾くと、1番が下がります。
↓
「いーち!」
次は2番を鳴らしてみよう!
ここで隣の白を弾くと・・・
↓
「にー! なんで3なん?」
「よーく見てみ、2番はどこにつながってるかな?」
「あ!黒や!」
↓
「にぃー!」
白を弾きながら「さーん!」
この調子で88番まで弾きます。
途中で、自分で気づいていきます。
隣というのは、いつも白ではないこと。
一番近い隣という鍵盤のとらえ方。
自分で気づくことが大事です。
受け身ではなく能動的な学習です。
88番まで終わって、覚える余裕がある場合は
「今のを、半音あがるっていうんだよ。
一番近いお隣さんね。
では、ここでクイズです!
この音(適当に鳴らす)から半音さがるとどこでしょうか?」
あがる・さがるは、しっかり学んでいますので、まず間違えません。
ふたを戻しても大丈夫。
同じように半音ずつ上がったり下がったりできました。
目で見てよりわかりやすくすることって、大切だなぁと思います。
発達障害のお子さんから学ばせてもらいました。
実はこの方法、
「ピアノの中、見せて~」という年長さんの一言から生まれました。
レッスン中断かと思われてもおかしくないこの状況が、
「半音」を覚えることができた!という展開に。
子どもたちの思いを大切に、
臨機応変にレッスンを展開していけるよう、
これからも学んでいきたいと思います。