枚方市 エレクトーン・ピアノ教室 こえだかミュージックスペース

枚方市駅からバスと徒歩で10分、山之上北町。1回ずつの予約可。子どもから大人まで、基礎から丁寧に学ぶ個人レッスン。障害児者、応相談。

【導入期】音符に指番号が書いてなくても弾ける方法

導入期のお子さんで

「楽譜の全部の音符に指番号が書いていないと

弾けない」というケースを時々耳にします。

指番号だけを見て、その番号の指を動かして弾いているのですね。

つまり、音符は見ていない。

 

番号を見ただけで、その番号の指を動かすことができるようになることは、最初の練習としては不可欠です。

 

そこに音符が加わって、音符の動きに合わせて、使う指を判断していくことになるのですが、

これは、お子さんにとってかなり難しい作業です。

 

ここは導入期の一つの”ヤマ”。

楽譜読みが好きになって、楽しく続けていけるためにも、”わからない”を残さないように、理解度を慎重に見極めていくポイントです。

 

昨日のレッスンにやってきた男の子。

ちょうどこの段階です。

来るなり「指の番号、最初しか書いてなかったら、弾かれへんわ」。

 

でもレッスンでは、一回目で弾けました。

弾けるんです。ちょっとしたコツで。

 

彼が取り組んでいるのは、右手でソラシドレだけを使う曲。

冒頭部分は、最初のソのところに指の番号「1」が書いてあり、続く4つの音には指番号が書いてないというもの。

なんだ~簡単じゃないか~

と思われるかもしれませんが、音符より指番号に目がいきやすいお子さんにとっては、何をどう見ればよいのかわからなくなります。

 

彼は、指番号だけを見て弾いているタイプではありません。

指番号が全部書いてあると、音符に目がいくのです。

 

まずはリズム打ち。曲を手でたたいてみます。

彼はこれが得意中の得意!今回も余裕でバッチリ!

 

次に、音符の繋がり方を見ます。

隣の関係なら一本線でつなぐ。一つとばしなら線ではなく×印を書く。

 

記入した、線と×印、そして音符の上がり下がりを一つづつ言います。彼の取り組んでいる曲は

「となりに上がる」「となりに下がる」

「一つとばして上がる」「一つとばして下がる」

のいずれかです。

迷うことなく言えるように、繰り返します。

こうやって目線を、横へ進めていきます。

 

次に、その音符の動きを、手の指の動きに置き換えます。

手を見ないことがポイント。

「となりに上がる」ときは、指はどちらへ進むのか。

「となりに下がる」とき、一つとばしに上がる・下がるも同様に。

「上がる」は右へ。「下がる」は左へ。

(手を見ないとできない場合は、ここがその子の重点課題。家で練習できる教材をあとで渡します)

 

教室のレッスンでは、最初から手は見ないようにしているので、この段階で手を見ることはまずありません。

 

「上がる」は右へ、「下がる」は左へ、というのも、一番最初、弾く前から繰り返しているので、ここも問題なし。

 

譜面通りに1番の指からスタートして、リズム打ちした音符の長さに合わせて、まずは指だけ動かしてみよう!

 

スラスラできちゃった!

 

「カッコいいなぁ、もう1回見たいんだけど、やってくれる?」「ええで!」

あら、スラスラと!

 

「もう一つ、お願いがあるんだけど、鍵盤のソのところに1番の指を置いてやってみてもらっていい?最初だから止まったり間違ったりしてもいいんで」「うん、やってみるわ」

 

あら、スラスラと!

「おお!1回で弾けてるやん!」「うわ、弾けたわ!」

ここまで所要5分。

 

この曲、最後は音が11こ並びますが、同じやり方で5分ほどで弾けました。

線でつなぐのが楽しそうでした。

 

ということで、指番号なしでも4小節のメロディが弾けちゃいました。

弾けたときに彼がこんなことをしました。

 

「ひ!」(ポーズ)

「け!」(ポーズ)

「た!」(ポーズ)

全身で「ひけた」を表現。

こちらも本当にうれしかったよぉ~(泣きそう)

 

彼の感想。

「家で弾けへんのに、なんでここでは弾けるんやろう」

「それはね、キミはホントは弾ける人だからだよ」

「え?え?そっかー?そーなん?」と照れるのでした。