大阪府枚方市の個人レッスン エレクトーン・ピアノ教室「こえだかミュージックスペース」です。
前回に引き続き、以下の4つの画像
これらがすべて「ド」だと思って、レッスンを続けておられた小1のお子さんのお話です。
今回は
なぜ、こんなことになってしまったのか?
の前半です。
まず最初にはっきりさせておきたいのは、お子さんは何も間違っていないということです。
この子は向いていないとか、この子の覚えが悪いとか、そんなことはありません。
「この形はド」だと、見事に覚えました。
ちゃんと覚えたからこそ、全部がドだと答えることができたのです。
まず考えられるのは、このお子さんが年中のこの時点で、五線譜のこの「ド」を理解できる発達段階に達していたかどうかという点。
年中児さんといえば、色の名前はだいたいわかっていて、読めるひらがながあるものの、
「みぎ」「ひだり」があいまい、
音の「たかい」「ひくい」はわからない、
数字は順番に言えても数値・数量としては理解していない、
といったこともあって不思議のない段階。
この「ド」の音符を教えるにあたっては、次の2点を確認したいと思います。
◆見えない「ド」という”音”が、見える形で存在する。
1つは鍵盤上に、一つは楽譜上に。
この三者が同じものだとわかるかどうか。
◆音符を見て「ド」だと判断するために
「五線」「ト音記号」「形」「場所」
の4つが揃っていることがわかるかどうか。
このお子さんが学んだ時には
音の名前でいつも歌っている「ド」
2つの黒い鍵盤左下の「ド」
ト音記号がくっついた五線の下にあるおひげの「ド」
いろんな「ド」が続けて出てきたことになります。
年中児なら
「ド」がいっぱいあって、わからな~い!
となっても不思議ありません。
もちろん、これでわかる年中児さんもおられるのですが。
(わかる→〇、わからない→×、ではありません)
同じことを学ぶにしても、年中児・年長児・小1では、その手法は当然違ってきます。
今やらずに、もう少し後回しにして、今持っている力で学べること・伸ばせることを課題にして、力をためていく進行もあります。
そもそも、大人だって読めない人がいる楽譜。小さいお子さんが簡単にわかるものではないのです。
楽譜に限らず、学びはお子さん一人一人の発達段階に合わせて、導入・進行することが必要です。
これが、当教室が個人レッスンである最大の理由です。
あらゆる場面で「個」は大切にされるべきだと考えています。
次回は
なぜ、こんなことになってしまったのか?
の後半です。