枚方市 エレクトーン・ピアノ教室 こえだかミュージックスペース

枚方市駅からバスと徒歩で10分、山之上北町。1回ずつの予約可。子どもから大人まで、基礎から丁寧に学ぶ個人レッスン。障害児者、応相談。

黒澤浩樹さんのこと

大阪府枚方市の個人レッスン エレクトーン・ピアノ教室「こえだかミュージックスペース」です。

 

昨日、黒澤浩樹さんの訃報が。

efight.jp

 

わたしが黒澤浩樹さんを初めて知ったのは、おそらく1991年の春だったと思います。

知人の家に仲間と集まった時に、極真空手のビデオを観たのが最初です。

 

この仲間は音楽つながりで、格闘技ファンはその知人一人だけ。

「今、これにハマってるねん」と言って、みんなにビデオをみせたのです。

 

わたしは、相撲は当時もよく観ていて、実際に場所を観戦に行ったこともありましたが、

空手はまったく興味がなく、こわいイメージしかありませんでした。

 

空手の試合はこんな風に進むのか・・・

などと思いながら、飲んだり食べたりしゃべったりしながら、チラチラとそのビデオを観ていました。

 

ルールもよくわからないままで観る空手の試合は、ただ淡々と繰り広げられるだけ。

それでも1時間も観ていれば、なんとなくわかってくるものです。

 

その中で、気になった選手が一人。

それが黒澤浩樹さんでした。

 

ひたすら繰り出す下段蹴り。

素人としては、とても地味に見えるこの技。

これで相手が倒れていくのです。

そして、闘志が外ではなく内に向かっている雰囲気。

鋭さ、厳しさ。

ビシビシと感じるものがありました。

 

「黒澤浩樹選手、なんかすごいんだけど」

と言ったわたしの一言を聞き逃さない格闘技ファン。

雑誌の記事をいくつか見せてくれました。

 

一つのことを極めようとしている人のもつ

強靭な精神力や集中力、忍耐力、向上心・・・。

ひたすら自分を見つめ、自分に立ち向かっているような

そんなものを感じました。

自分に足らないものばかりです。

それだけに、黒澤浩樹さんの姿はわたしに強烈な記憶として残ることになりました。

 

それから何ヶ月が過ぎたか忘れましたが、

またその家で集まることがあり、

新しい空手のビデオを観る機会となりました。

 

その時に観たのが、あの骨折シーンでした。

急にレフリーがストップをかけ

一旦降りた黒澤選手の映像。

左手の甲を外に向けるように左ひじを曲げていました。

そして、右手で左手の指を小指の横から包むように持っていました。

その左手の薬指、曲がっていました。

 

その格闘技好きの知人は、仕事にかこつけて

のちに黒澤浩樹さんに会うことになります。

インタビュー記事を書くというお仕事でした。

 

そして、その記事のお礼として、

黒澤浩樹さんご本人からお菓子とお礼状が届いたということで

封筒を見せてもらいました。

青インクの万年筆で書かれた宛名、そして裏面にご本人のお名前。

その、あまりに達筆だった封筒のお名前の画像は、今もしっかり覚えています。

楷書で一画一画丁寧に書かれた文字。

字はその人を表すのだなと思いました。

 

そして、そのお菓子を少しいただきました。

いろんな焼き菓子のはいった詰め合わせでした。

お菓子の入っていた缶をもらいました。

とてもかわいい缶で、20年以上経った今も、手芸の小物をいれて大切に使っています。

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ご冥福をお祈りいたします。

 

心をこめて。

押忍。