大阪府枚方市 個人レッスンのエレクトーン・ピアノ教室「こえだかミュージックスペース」です。
きょうで10月も終わり。
今年は2月以降、毎月新しいお仲間をお迎えしていますが、
10月も年少の男の子が来てくださいました。
お好きな歌を一緒に元気に歌ってくれています。
まずは、通うということから、慣れていきましょうね。
さて。
当教室の導入期のレッスンでは、
お子さんによって、進行順序や速度が
違ってくることがよくあります。
その「お子さんによって違う」が、本当に深いと思います。
年齢、月齢、性格、環境、経験、
それに当教室の場合は発達凸凹さんもおられますので、その特性、
それだけでも、一人一人違います。
人間は一人一人違っていて、当たり前のはずが、
いつの間にか「○歳なら、△△ができる」
という基準に縛られてしまいがち。
そのことは、子どもたちを型にはめ、縛ってしまうことになります。
気をつけないといけません。
「この課題がクリアできたら、次はこの課題へ」とこちらが思っていても、
その課題をするには、発達段階が達していないことがあります。
そんな時は、待ちます。
「早い方が良くて、そうでないのは良くないのではありません。
歩けるようになったばかりの子どもに、自転車は無理なのと同じ。
発達に見合うことをするのが、大切です。
ぬりえが大好きな年少の女の子。
好きなのですが、どうしても線からはみだしてしまいます。
しかも、線はまったく関係なしの大胆なはみ出し方で、
手を上下左右に大きく往復させて、塗る絵とその周囲を勢いよく塗りつぶします。
手指の緻密性や集中力の発達が、もう少しアップしたら、
テキストの風船のぬりえをやってもらおうと思って、
そのページは空けたままにしておきました。
毎回のレッスンで、大好きなぬりえをしました。
最後まで集中して塗ることができる日を、楽しみながら待ちました。
「はみだしたらダメ」は、お母さまもわたしも言わないようにして。
本当に楽しそうにぬっているのです。
そんな姿に否定の言葉は必要ありません。
はみ出ても、色がぐちゃぐちゃでも、塗りかたを教えるようなこともしませんでした。
その後、少し細かい塗りかたができるようになりましたが、
でもすぐにはみ出して、いろんな色を重ねぬり。
そのうちに、細かく塗る時間がだんだん増えてきたものの、やっぱり最後はダーッとなって。
一つの絵に何色も重ねぬり。
どの色もぬってみたくて、重ね塗りをしているように見えました。
風船はまだ先になりそうだと思っていたら。
先日のレッスンで、あけたままの風船のページを
自ら「ぬる!」と宣言したのです!
風船は全部で12個。
1つでもはみださないでぬれたら、指定の色でなくても、もう充分。
そう思って見ていました。
こちらの心配をよそに、女の子は、
番号の色で下の風船をぬるという課題の意図も、しっかり理解して、
12個全部のぬりえを一気に完成させました!
見事!はみだしていません。
指定の色のみで塗っています。
絵をぬる手指の動きが細かい!
はみださずに12個完成させる集中力!
子どもは、できるようになった時には、自ら取り組もうとするのですね。
これにも驚きました。
課題は与えられるものではなくて、子どもが自分でつかむもの。
そのことに、ただただ感動してしまいました。
先日の赤木和重先生の講座のお話にあった
「手持ちの能力の全面開花」
の瞬間です。
お母さまがあせらずに、待っておられたのも、「全面開花」につながったと思います。
できないから、教え込むのではなく、
できていく過程を子ども自身が自分の速度で歩んでいくのを
楽しみながら、見守りながら、待つ。
待つことの大切さを教えてもらいました。
写真にはピースの手しか写っていませんが、
お顔は照れくさそうに笑っていました。